
Excelで数式をコピーしたとき、「なんでセル参照がズレてしまうんだろう?」と思った経験はありませんか?
その原因は、セルが固定されていないことにあります。
この記事では、数式内でセルを固定するための「$記号(ドルマーク)」の使い方を、初心者にもわかりやすく解説します。
- 絶対参照($F$1)の意味
- 行だけ・列だけを固定する方法
- 固定しないと起こるエラーの対策法
掛け算や関数を使う場面でも役立つ知識です。ぜひ参考にしてください。
セルの固定とは?|数式がズレる原因を解決

Excelでは、数式をコピーすると相対的に参照先がズレるのが基本動作です。
たとえば次のような式があったとします。
=C4*D4
これを下の行にコピーすると、=C5*D5
のように参照先が自動で変わってしまいます。
しかし、「消費税率」や「単価」などの固定しておきたいセルを参照する場合は、それでは困りますよね。
そこで役立つのが「$記号(ドルマーク)」です。
$記号の3パターンと意味の違い
記号の書き方 | 固定される範囲 | 例 |
---|---|---|
$F$1 | 列と行の両方を固定 | 消費税セルなど |
$F1 | 列のみ固定(行は可変) | F列を固定したい |
F$1 | 行のみ固定(列は可変) | 1行を固定したい |
ポイント:固定されるのは「$」が付いた行・列のみです。
実際に固定する方法【入力手順付き】
例:C列×D列×固定セル(F1)
=C4*D4*$F$1
この式では、F1
セルにある「消費税率」を固定しています。
下の行にコピーしても、$F$1
の参照先だけは変わらず使われます。
入力のコツ:F4キーで自動変換
セル編集時に F4キーを押すと「$」の付け方が順に切り替わります。
- F4 →
$F$1
(絶対参照) - F4 →
F$1
(行固定) - F4 →
$F1
(列固定) - F4 →
F1
(固定なし)
ショートカットで楽に設定できるので覚えておくと便利です。
セルを固定しないとどうなる?
固定し忘れた状態で数式をコピーすると、次のようなズレが発生します。
コピー先 | 式の結果 |
---|---|
正常 | =C4*D4*$F$1 |
固定なし | =C5*D5*$F$2 (ズレ) |
とくに「$」が付いていないと、行番号や列記号が自動で変わってしまうため、計算結果が大きく狂ってしまう可能性があります。
固定セルを使うシーン【実務での活用例】
- 消費税率の掛け算(=価格×個数×$F$1)
- 為替レートの換算(=金額×$B$1)
- 単価が共通な見積書の自動計算
- 複数行にわたるデータの計算式共通化
固定セルを活用することで、コピーしても正確な数式を維持できるようになります。
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まとめ|$記号を使ってセル参照をコントロールしよう
Excelの数式でセルを固定する方法は、「$記号」を使うことで簡単に実現できます。
絶対参照と相対参照を正しく使い分けることで、数式のズレを防ぎ、業務効率もアップします。
おさらいポイントはこちら
$F$1
は列・行ともに固定(絶対参照)$F1
は列のみ固定、F$1
は行のみ固定- コピーしても参照先を維持したいときは「$」を活用
ぜひ今日から使ってみてください!

最後までお読みいただきありがとうございます。
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