
Windowsでは、ショートカットやドキュメントのリンクが移動後も機能するようにするための仕組みが用意されています。その一部を担っているのが「Distributed Link Tracking Client」サービスです。あまり注目されることのないサービスですが、ファイルの移動やネットワーク環境でのリンク維持に関わっています。
この記事では、「Distributed Link Tracking Client」の基本的な役割や設定方法、無効化の影響などについて詳しく解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:Distributed Link Tracking Client
- 内部名:TrkWks
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:自動(または手動)
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
Distributed Link Tracking Clientは、NTFSファイルシステムにおけるファイルリンクやショートカットを追跡・更新するためのサービスです。ネットワーク環境や別ボリュームにファイルを移動しても、リンクの整合性を保つために動作します。
特に企業やドメイン環境でネットワーク共有フォルダを利用している場合に活躍します。
主な用途と機能
- ショートカットリンクの自動修復
元ファイルの場所が変更されても、リンクが自動的に追跡・更新されるよう支援 - NTFSボリューム間のリンク維持
同一PC内の別ドライブ間でもリンク整合性を維持 - ネットワーク内のリンク追跡
ドメイン環境や共有フォルダ内のリンク管理を支援
サービスの設定方法

- スタート →「サービス」と検索しアプリを開く
- 一覧から「Distributed Link Tracking Client」を探す
- ダブルクリックで「プロパティ」を開き、状態とスタートアップの種類を確認
有効化/無効化の手順
- 「Distributed Link Tracking Client」を右クリック →「プロパティ」
- 「スタートアップの種類」を「自動」「手動」「無効」から選択
- 状態に応じて「開始」または「停止」ボタンを操作
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動(または無効)
- 理由:
- 一般的な個人PCやスタンドアロン環境では機能の必要性が低いため、無効でも大きな支障はありません
- ドメイン環境やファイルサーバーでの運用を行っていない限り、パフォーマンスやセキュリティの観点から無効化しても問題なし
- 多くの最適化ガイドでも「無効または手動を推奨」とされています
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- リンクが無効になる(ただしサービス無効化とは無関係な場合が多い)
- ファイル移動後にショートカットが無効になる
- ドメイン環境でファイルリンクの自動修復が行われない
解決手順
- サービスを「自動」に設定し再起動して様子を見る
- リンク先ファイルのパスを手動で確認・再設定
- ネットワークやボリュームの構成変更がないかを確認
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 | 推奨設定 |
---|---|---|
Workstation | ネットワーク接続の管理 | 自動 |
Server | 共有フォルダ機能の提供 | 自動 |
Offline Files | ネットワークファイルのキャッシュ制御 | 手動 |
FAQセクション
Q1:このサービスを無効にしてもショートカットは使えますか?
A1: はい、リンク先が変更されない限り問題なく使用できます。リンクの「自動修復」だけが無効になります。
Q2:無効にすると動作が軽くなりますか?
A2: ごくわずかですが、リソースの節約になります。特に共有環境を使用していない場合に有効です。
関連リンク
まとめ
Distributed Link Tracking Clientは、NTFSリンクやネットワークリンクを自動的に追跡・維持するサービスですが、個人利用のPCではその恩恵を受ける場面がほとんどありません。一般的な使用環境では「手動」または「無効」設定を推奨します。共有ファイル環境やドメイン管理下でのみ必要となるサービスといえます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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