
目次
1. 問題の概要
Windows 11 24H2 を適用したところ、普段快適に動作していた Discord や Chrome といった Chromium ベースのアプリが、突然一部だけ固まったり描画が乱れたりするケースが増えています。特に ALT+TAB の切り替え直後など、ほんの一瞬の操作でもストレスを感じるほどです。
以下のような症状が出る場合は、レジストリの簡単な調整で改善できる可能性があります。
- ウィンドウの一部だけが灰色になって動かない
- メニューやボタンだけがちらつく
- フレームレートが急激に落ちて操作がカクつく
2. 発生する症状
- 部分フリーズ:Discord のチャット画面が更新されず灰色のまま
- 描画チラつき:アプリのタイトルバーやアイコンがチラつく
- ALT+TAB 後の不具合:切り替え後、操作を反映するまで数秒かかる
ユーザーによっては数秒間操作不能になり、日常利用に支障が出るケースもあります。
3. 原因と背景
- Windows の Desktop Window Manager(DWM)が最低フレームレートをハードウェアオーバーレイに割り当て
- 一部の Chromium 系アプリが描画モデルを切り替える際にパイプラインが不安定化
- デフォルトの
OverlayMinFPS
値により、低フレームレート状態がオーバーレイに割り当てられにくくなる
4. レジストリ修正での解決手順
- バックアップを取得
- レジストリエディタで対象キーをエクスポート
- レジストリエディタを管理者権限で起動
- キーを編集
Windows Registry Editor Version 5.00 [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\Dwm] "OverlayMinFPS"=dword:00000000
- PCを再起動
- DWM の再起動だけでは反映が不完全な場合もあるため、フル再起動を推奨
- 動作確認
- ALT+TAB や通常操作で、改善をチェック
5. 実施前の注意点
- レジストリ操作はシステムに影響するため、必ずバックアップを取った上で自己責任で実行してください
- 根本的な修正ではなくあくまで暫定的な対処策です
- 元に戻す場合は
OverlayMinFPS
をdword:00000001
にリセットし、再起動してください
6. まとめ
今回のレジストリ修正は、Windows 11 24H2 環境下での Discord や Chrome などの部分的フリーズを手軽に回避できる有効なワークアラウンドです。ただし、以下のポイントを押さえた上でお試しください。
- メリット
- ハードウェアアクセラレーションを無効化せずに改善可能
- 短時間で設定変更できる
- デメリット
- 公式対応ではないため、将来的に修正が入るまでの暫定策
- レジストリ編集ミスによるリスク
最終的には Microsoft や Chromium 開発チームへのフィードバック提出も行い、正式なパッチを待つことをおすすめします。
もし効果が薄い場合や不安が残る場合は、元の設定に戻して様子を見てください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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