
Windowsでインターネットに接続する際、IPアドレスやDNS情報の自動取得を行っているのが「DHCP Client」サービスです。通常は目に見えない存在ですが、このサービスが停止しているとネット接続ができなくなることもあります。
この記事では、DHCP Clientサービスの役割、設定方法、トラブル時の対処法までをわかりやすく解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:DHCP Client
- 内部名:Dhcp
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:自動
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
DHCP Clientは、ネットワーク上のDHCPサーバーから自動的にIPアドレスやDNSサーバー情報を取得し、このPCに設定する役割を担うサービスです。また、取得した情報をDNSサーバーへ動的に登録・更新する機能も持っています。
主な用途と機能
- IPアドレスの自動取得
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を使って、PCが使うIPアドレスを自動で設定 - DNSレコードの登録・更新
ホスト名やドメイン情報をネットワーク内のDNSに動的に反映 - ネットワーク変更時の再取得処理
別のWi-Fiや有線LANに切り替わった際に、新しいIPを再取得
サービスの設定方法

- 「スタート」→「サービス」と検索してアプリを開く
- 「DHCP Client」を一覧から探す
- ダブルクリックで「プロパティ」を開き、状態や起動種類を確認
有効化/無効化の手順
DHCP Clientはほとんどのネットワーク接続に必須のため、無効化は非推奨です。
- 「DHCP Client」を右クリック → 「プロパティ」
- 「スタートアップの種類」を「自動」に設定
- 状態が停止中であれば「開始」をクリック
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動
- 理由: ネットワーク接続をスムーズに行うためには、DHCPからの情報取得が欠かせません。手動や無効にするとIP取得に失敗し、インターネットに接続できなくなる可能性があります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- IPアドレスが「169.254.~」で始まる(APIPA)
- ネットワークに接続できない
- 名前解決ができず、ウェブサイトにアクセスできない
解決手順
- DHCP Clientの状態を確認
サービスが停止していないかチェック → 必要なら「再起動」 - コマンドでIP設定を更新
管理者コマンドプロンプトで以下を実行ipconfig /release ipconfig /renew
- ネットワークアダプターを再有効化
「ネットワークと共有センター」→「アダプターの設定」→ 再有効化 - Windows Updateを確認
ネットワーク関連の修正が配信されている可能性あり
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 | 推奨設定 |
---|---|---|
DNS Client | DNSキャッシュ・名前解決 | 自動 |
Network Location Awareness | ネットワークの識別と通知 | 自動 |
TCP/IP NetBIOS Helper | 古いプロトコルの互換性支援 | 手動 |
FAQセクション
Q1:DHCP Clientを停止するとどうなりますか?
A1: IPアドレスやDNSが取得できず、ネットワーク接続が行えなくなる可能性があります。
Q2:固定IPを使っている場合でも必要ですか?
A2: 固定IP運用では不要なケースもありますが、DNS登録機能などを活用している場合は必要です。
関連リンク
- Windowsサービス管理の基本ガイド
- DNS Clientの詳細解説
- Microsoft公式 DHCP クライアント ドキュメント
まとめ
DHCP Clientは、Windowsがネットワーク接続を自動的に確立するために欠かせないサービスです。特にIPアドレスやDNS情報の取得・更新に関わるため、停止すると通信不能になるリスクもあります。トラブル時はサービスの状態を確認し、再起動や設定リセットで対応しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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