
Windowsの基盤機能として動作する「DCOM Server Process Launcher」は、COMおよびDCOMベースのアプリケーションの起動やオブジェクト管理を担当する重要なサービスです。普段は意識されることのない裏方の存在ですが、停止すると深刻な影響が出る可能性があります。
本記事では、DCOM Server Process Launcherの役割や設定方法、トラブル時の対応についてわかりやすく解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:DCOM Server Process Launcher
- 内部名:DcomLaunch
- 実行ファイル:
svchost.exe
- スタートアップの種類:自動
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
DCOM Server Process Launcherは、COM(Component Object Model)およびDCOM(Distributed COM)アーキテクチャに基づくサービスやアプリケーションを起動・管理するためのサービスです。
システムやアプリが特定のCOMオブジェクトにアクセスする際、このサービスがオブジェクトのアクティブ化要求に応じ、プロセスを起動します。
主な用途と機能
- COM/DCOMサーバーの起動管理
要求されたオブジェクトに対応するプロセスを起動 - システム機能の基盤提供
Windows Updateやエクスプローラー、タスクスケジューラなどがCOMを利用 - アプリケーション連携の支援
複数アプリ間でのCOMベースの通信や自動化処理の支援
サービスの設定方法

- スタートメニューで「サービス」と検索し起動
- 一覧から「DCOM Server Process Launcher」を探す
- ダブルクリックしてプロパティを開く
- スタートアップの種類や状態を確認
有効化/無効化の手順
このサービスは無効化非推奨です。停止するとシステムが正常に起動しない可能性があります。
- サービスを右クリックし「プロパティ」を開く
- スタートアップの種類を「自動」に設定(既定)
- 状態が「停止中」の場合、「開始」ボタンをクリック
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動
- 理由: 多くのWindowsシステム機能がこのサービスに依存しており、停止するとシステム全体の不具合や起動不可になるリスクがあります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- Windowsの起動が極端に遅くなる
- タスクスケジューラが動作しない
- COMを使用したアプリがエラーを出す
解決手順
- サービスの状態確認と再起動
「サービス」から「DCOM Server Process Launcher」が実行中か確認。停止していたら再起動 - システムファイルの修復
管理者コマンドプロンプトでsfc /scannow
を実行 - イベントビューアーの確認
DCOM関連のエラーが記録されていないか確認することで原因追及につながる
関連サービスや補足情報
サービス名 | 役割 | 推奨設定 |
---|---|---|
RPC Endpoint Mapper | DCOMの通信先管理 | 自動 |
COM+ Event System | COMイベント処理 | 自動 |
Task Scheduler | COMに依存したタスク実行 | 自動 |
FAQセクション
Q1:DCOM Server Process Launcherは無効にできますか?
A1: 無効化はできません。停止するとOSが起動しなくなる場合があるため、設定変更は非推奨です。
Q2:COM/DCOMとは何ですか?
A2: Microsoft独自のコンポーネント技術で、アプリ間の連携や再利用可能なオブジェクト実行に利用されます。
関連リンク
まとめ
DCOM Server Process Launcherは、WindowsのCOM/DCOM機能を支える非常に重要なサービスです。
通常は自動で動作しており、ユーザーが手動で操作する必要はありません。万一トラブルが発生した場合も、状態確認や修復コマンドで対応できます。
このサービスは絶対に無効化しないようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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