
Windowsでは、ネットワーク接続時のユーザー名やパスワードなど、資格情報を安全に保存・再利用する仕組みが用意されています。それを支えているのが「Credential Manager(資格情報マネージャー)」というサービスです。
この記事では、Credential Managerの基本機能、設定手順、トラブル時の対処法までをわかりやすく解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名 Credential Manager(資格情報マネージャー)
- サービス名(内部名) VaultSvc
- 実行ファイル
svchost.exe
- スタートアップの種類 手動(トリガー開始)
- 対応OS Windows 10 / 11
サービスの概要
Credential Managerは、Windowsがネットワーク接続やアプリケーション利用時に使用するユーザー名・パスワードなどの資格情報を保存・取得・管理するためのサービスです。
GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を備えており、ユーザーが「資格情報マネージャー」画面から情報の確認・削除・編集を行うことも可能です。
主な用途と機能
- 資格情報の保存
ネットワーク共有フォルダーやWebサイトにログインした際のユーザー名とパスワードを保存 - 資格情報の取得・自動入力
保存された情報を用いて、再ログイン時に自動で入力 - 資格情報の削除や編集
GUI画面から特定の資格情報を削除・更新可能 - Web資格情報とWindows資格情報の分離
用途に応じた保存形式を提供し、ユーザーが選択できる
サービスの設定方法

- スタートメニューで「サービス」と検索して起動
- 一覧から「Credential Manager」または「VaultSvc」を探す
- ダブルクリックでプロパティを開き、スタートアップの種類や状態を確認
有効化/無効化の手順
- 「Credential Manager」サービスを右クリックして「プロパティ」を選択
- スタートアップの種類を以下から選ぶ
- 手動(トリガー開始)(推奨)
- 無効(非推奨)
- 状態が停止している場合は「開始」をクリック
このサービスを無効にすると、資格情報の保存・取得が正しく行えなくなります。通常は無効化しないでください。
推奨設定とその理由
- 推奨設定 手動(トリガー開始)
- 理由 必要なときにのみ起動される仕組みのため、パフォーマンスを損なわずセキュリティも維持できます。無効化するとネットワーク接続やWindowsログオン情報の自動保存が機能しなくなる可能性があります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワークドライブに接続できない
- 資格情報が保存されない・自動入力されない
- GUI上に資格情報が表示されない
解決手順
- Credential Manager サービスが動作しているか確認
サービスが「停止」状態の場合、「開始」ボタンを押して再起動 - 保存されている資格情報を一度削除して再登録
「コントロールパネル」→「資格情報マネージャー」から削除と再登録を行う - Windows資格情報キャッシュのクリア
cmd
でcmdkey /list
→cmdkey /delete:<ターゲット>
で削除可能 - システムファイルの修復
sfc /scannow
を実行して破損したファイルの修復を試みる
関連サービスや補足情報
サービス名 | 説明 | 推奨設定 |
---|---|---|
Windows Biometric Service | 指紋認証等と連携する場合あり | 手動 |
User Profile Service | 資格情報の保存先と連携 | 自動 |
Windows Defender Credential Guard | 資格情報のセキュリティ強化 | 自動 |
FAQセクション
Q1 GUIの「資格情報マネージャー」はどこから開くのか
A1 コントロールパネル → ユーザーアカウント → 資格情報マネージャー からアクセスできます
Q2 サービスを無効にするとどうなるのか
A2 保存された資格情報が使用できなくなり、ネットワーク接続などの自動ログインが失敗することがあります
関連リンク
まとめ
Credential Managerは、Windowsでのユーザー名・パスワードといった資格情報を安全に保存し、自動で再利用できるようにするための重要なサービスです。GUIから手動で管理することもでき、特にネットワーク環境やリモート接続の多いユーザーにとっては必須の存在です。
普段はトリガー起動で自動的に動作し、意識することは少ないですが、トラブルが発生したときには本サービスの状態を確認することで改善につながることがあります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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