
「Computer Browser」サービスは、Windowsの古いネットワーク機能のひとつで、同じネットワーク上にあるコンピューターの一覧を収集・提供する役割を担っていました。本記事では、サービスの概要や設定方法、現代における扱い方、トラブル時の対処法などを解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:Computer Browser
- サービス名(内部名):Browser
- 実行ファイル:
%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k netsvcs
- スタートアップの種類:無効(既定/Windows 10以降)
- 対応OS:Windows 7~10(一部機能は非推奨)
サービスの概要
Computer Browser は、ネットワーク上のコンピューター情報を収集し、「マスターブラウザ」として各PCに一覧を提供する役割を担っていたサービスです。現在は多くの機能が廃止または非推奨となっており、Windows 10 以降では通常は使用されません。
主な用途と機能(旧バージョンでの役割)
- ローカルネットワーク内のPC一覧の管理
SMB(Server Message Block)ベースのネットワークにおいて、名前解決やネットワークブラウズ機能を補助。 - マスターブラウザ選出
同一ネットワーク上で代表のPC(マスターブラウザ)を決定し、一覧データの収集と配布を担当。 - エクスプローラーからの「ネットワーク参照」
他のPCを表示するための補助的な役割を担っていた。
サービスの設定方法

手順
- スタートメニューで「サービス」と検索して起動
- 一覧から「Computer Browser」を選択
- ダブルクリックして「スタートアップの種類」「状態」を確認
有効化/無効化の手順
現代環境(Windows 10/11)では通常「手動」のままを推奨します。
- 「サービス」から「Computer Browser」を右クリック
- 「プロパティ」を開く
- スタートアップの種類を以下から選択(ただし通常は手動のままでOK)
- 自動
- 手動(推奨)
- 無効
- 状態が「停止中」であれば、必要に応じて「開始」ボタンで起動
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動(既定)
- 理由:このサービスは古いネットワーク技術(NetBIOS/SMB v1)に依存しており、セキュリティ上のリスクが高いため、現在のWindowsでは手動が基本となっています。ネットワーク参照には他の仕組み(WSD、DNS、Active Directory など)が利用されます。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワーク上の他PCが「ネットワーク」画面に表示されない
- 古いNASやWindows XPマシンとの通信ができない
- 共有フォルダが見つからない
解決手順
- SMB1.0の有効化(非推奨だが必要な場合)
[コントロール パネル] → [プログラムと機能] → [Windowsの機能の有効化または無効化] →「SMB 1.0/CIFSファイル共有のサポート」を一時的に有効化 - NetBIOS over TCP/IPの確認
ネットワークアダプターの詳細設定から確認 - 共有アクセスは直接アドレスで
ネットワーク参照ができない場合は\\192.168.x.x\共有名
で直接アクセスするのが安全です - WS-Discoveryを利用する
新しいデバイス検出方法に切り替える(特にWindows 10/11)
関連サービスや補足情報
サービス名 | 説明 | 推奨設定 |
---|---|---|
Function Discovery Provider Host | ネットワークデバイス検出 | 自動(推奨) |
Function Discovery Resource Publication | 自PCの公開情報管理 | 自動(推奨) |
SMB 1.0/CIFS | 古いファイル共有プロトコル | 無効(推奨) |
FAQセクション
Q1: Computer Browser を有効化すれば、ネットワーク上のPCが見えるようになりますか?
A1: 現在のWindows環境では効果は限定的です。WS-Discoveryや共有設定の見直しをおすすめします。
Q2: SMB 1.0を有効にしても安全ですか?
A2: セキュリティ上のリスクが高いため、どうしても必要な場合のみ短期間で利用し、使用後は無効にしてください。
関連リンク
まとめ
Computer Browser は、Windowsの古いネットワーク機能におけるコンピューター一覧管理を担当するサービスでしたが、現在ではほぼ使われていません。セキュリティを考慮し、通常は「無効」のままで問題ありません。代替手段としてはWS-DiscoveryやIPアドレス直接指定によるアクセスを活用しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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