
COM+(Component Object Model Plus)は、分散型アプリケーションの構築や管理に用いられるWindowsの技術です。本記事では、そのCOM+を支える「COM+ System Application」サービスの機能と役割、設定方法、トラブル対処法について解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:COM+ System Application
- サービス名(内部名):COMSysApp
- 実行ファイル:
%SystemRoot%\System32\dllhost.exe
- スタートアップの種類:手動(既定)
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
COM+ System Application は、COM+ ベースのコンポーネントの構成や追跡処理を管理するサービスです。アプリケーションサービスの構成や登録を支援し、分散型のアプリケーション環境の構築・運用に不可欠な役割を担います。
主な用途と機能
- COM+ コンポーネントの登録・管理
管理ツール(Component Services)から行う構成変更やトラッキングを支援します。 - 構成の読み込みと反映
アプリケーションの構成内容を読み取り、COM+ランタイムに適用。 - トラブル時のログ収集支援
COM+関連エラーの発生時にログ記録や詳細情報の出力をサポートします。
サービスの設定方法

設定手順
- スタートメニューから「サービス」を検索して起動
- 一覧から「COM+ System Application」を選択
- ダブルクリックし、「スタートアップの種類」「サービス状態」を確認
有効化/無効化の手順
- サービス一覧で「COM+ System Application」を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「スタートアップの種類」を以下から選択:
- 手動(推奨)
- 自動(構成作業が多い場合)
- 無効(非推奨)
- 「開始」ボタンで手動起動も可能
推奨設定とその理由
- 推奨設定:手動
- 理由:通常のWindows操作では常に必要なサービスではありませんが、COM+関連アプリの構成変更時には必要となるため、必要時のみ起動される「手動」が最適です。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- Component Services で構成変更ができない
- COM+ アプリのインストール時にエラーが表示される
- COM+ に関するイベントログにエラーが記録される
解決手順
- サービス状態の確認と起動
「COM+ System Application」が停止している場合、手動で開始します。 - 関連サービスの確認
「Remote Procedure Call (RPC)」や「DCOM Server Process Launcher」も稼働しているかを確認します。 - Component Services の再構成
dcomcnfg
コマンドで「コンポーネントサービス」を開き、設定を再構成または再登録します。 - システムファイルの修復
sfc /scannow
を管理者コマンドで実行し、整合性を確認します。
関連サービスや補足情報
- COM+ Event System:イベントの通知機能を担当
- Remote Procedure Call (RPC):分散処理の基盤サービス
- DCOM Server Process Launcher:DCOMベースアプリの起動支援
FAQセクション
Q1: COM+ System Application を無効にしてもいいですか?
A1: 無効化は非推奨です。構成変更やインストールが正常に行えなくなり、COM+を利用するアプリケーションでエラーが発生する可能性があります。
Q2: 普段は起動していなくても問題ない?
A2: はい。構成変更を行う際や、一部のアプリケーションが動作するタイミングで必要になるため、通常は「手動」で問題ありません。
関連リンク
まとめ
COM+ System Application は、Windowsの分散アプリケーション技術「COM+」の構成や管理をサポートするサービスです。通常は手動起動で問題ありませんが、構成作業やアプリケーションインストール時に必要となる場面があるため、停止状態にしておく場合もサービス自体は無効化せずに維持することが推奨されます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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