
Windowsの「COM+ Event System」は、アプリケーションやシステムイベントを検知し、他のサービスやアプリケーションへ通知する仕組みを提供します。本記事では、機能の詳細や設定方法、トラブル対処法まで丁寧に解説します。
目次
サービスの基本情報
- サービス名:COM+ Event System
- サービス名(内部名):EventSystem
- 実行ファイル:
%SystemRoot%\System32\svchost.exe -k LocalService
- スタートアップの種類:自動
- 対応OS:Windows 10 / 11
サービスの概要
COM+ Event System は、Windowsのシステムイベント通知サービス(SENS)の基盤として機能し、アプリケーションイベントやシステムの状態変化をほかのコンポーネントに通知します。ネットワーク接続の変化や電源イベントなど、システムレベルでの情報連携に関わる重要なサービスです。
主な用途と機能
- SENS(System Event Notification Service)のサポート
ネットワーク接続・ログオン・ログオフなどのイベント通知に必要不可欠。 - COM+ イベント通知の管理
COM+ アプリケーション間で非同期にイベントを伝達するための基盤。 - 電源管理やアプリの自動反応
バッテリー状態やユーザー切り替えといったイベントにアプリが自動で反応する仕組みを支援。
サービスの設定方法

手順
- スタートメニューで「サービス」と検索し、起動します。
- 「COM+ Event System」を一覧から選択
- 右クリック →「プロパティ」を開き、スタートアップの種類や状態を確認・変更
有効化/無効化の手順
- サービス一覧から「COM+ Event System」を右クリック
- 「プロパティ」を選択
- スタートアップの種類を以下から選択:
- 自動(推奨)
- 手動
- 無効(非推奨)
- 必要に応じて「開始」または「停止」ボタンを操作
推奨設定とその理由
- 推奨設定:自動
- 理由:本サービスはSENSやCOM+イベント通知にとって重要な役割を持ちます。無効にすると一部のシステム機能やアプリケーションが正しく動作しなくなる恐れがあります。
よくあるトラブルと対処法
トラブル事例
- ネットワーク接続状態の検知が遅い・反応しない
- ユーザー切り替え時にエラーが発生する
- イベントログに EventSystem 関連のエラーが記録される
解決手順
- サービス状態の確認・再起動
COM+ Event System が「停止」状態であれば「開始」し直します。 - 依存サービス(SENSなど)の確認
SENSが正しく動作しているかを確認。再起動やスタートアップ設定の確認も重要です。 - イベントビューアーのチェック
エラー内容を確認し、イベントIDをもとに対処法を調べます。 - システムファイルの修復
sfc /scannow
を管理者コマンドで実行して整合性を確認
関連サービスや補足情報
- System Event Notification Service(SENS):イベント通知機能のフロントエンド。
- COM+ System Application:COM+関連の設定や登録操作を補助。
- Windows Event Log:システムイベントを記録する仕組み。
FAQセクション
Q1: COM+ Event System を無効にしても大丈夫ですか?
A1: 基本的に無効化は非推奨です。SENSが正常に動作しなくなり、イベント通知が失われる恐れがあります。
Q2: イベント通知のトラブル時にまず確認すべきことは?
A2: 「COM+ Event System」「SENS」両サービスの状態を確認し、再起動を試してください。また、イベントビューアーで詳細なエラーログを確認することが有効です。
関連リンク
まとめ
COM+ Event System は、Windowsのイベント通知機能を支える基盤的なサービスです。SENSと連携して動作し、ユーザーやネットワークの状態変化をほかのアプリケーションに伝える役割を持ちます。スタートアップは「自動」に設定し、トラブル時はサービスの再起動や依存サービスの確認を行うことで多くの問題を解決できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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