prnmngrコマンドとは?
prnmngr
コマンドは、Windowsのコマンドラインからプリンターの接続や管理を行うためのコマンドです。プリンターの追加、削除、一覧表示、既定のプリンターの設定など、プリンターの管理操作をコマンドラインから効率的に実行できます。ローカルコンピュータだけでなく、リモートコンピュータにインストールされているプリンターも管理できるため、ネットワークプリンタの管理にも役立ちます。
主な用途
- プリンターの追加・削除: ローカルまたはネットワークプリンタをコマンドラインから簡単に追加・削除。
- プリンターの一覧表示: コンピュータに接続されているすべてのプリンターを確認。
- 既定のプリンターの設定: 通常使用するプリンターを設定。
- ネットワークプリンターの管理: リモートコンピュータ上のプリンターも管理可能。
prnmngrコマンドの使い方
prnmngr
コマンドを使用することで、ローカルまたはリモートプリンターの接続や管理をコマンドラインから実行できます。これにより、管理者はスクリプトや自動化されたプロセスを通じてプリンター管理を効率化できます。
基本構文
prnmngr [-a | -d | -X | -g | -t | -l] [-s <Servername>] [-p <Printername>] [-m <Modelname>] [-r <Portname>] [-u <Username> -w <Password>]
パラメーター | 説明 |
---|---|
-a | ローカルプリンター接続を追加します。 |
-d | プリンター接続を削除します。 |
-X | サーバー上またはローカルのすべてのプリンターを削除します。 |
-g | 既定のプリンターを表示します。 |
-t | 指定したプリンタを通常使用するプリンターとして設定します。 |
-l | すべてのプリンターを一覧表示します。 |
-s <Servername> | リモートコンピュータのプリンターを管理します。指定がない場合はローカルコンピュータが対象。 |
-p <Printername> | 管理するプリンターの名前を指定します。 |
-m <Modelname> | インストールするプリンタードライバーのモデル名を指定します。 |
-r <Portname> | プリンターが接続されているポートを指定します(例:LPT1:、COM1:、TCP/IPポート)。 |
-u <Username> -w <Password> | リモートプリンタへの接続に必要なアカウント情報を指定します。 |
/? | コマンドのヘルプを表示します。 |
使用例
1. プリンターの追加
ローカルプリンターを追加し、指定したポートに接続します。
prnmngr -a -p "MyPrinter" -r "LPT1:" -m "HP LaserJet 1018"
- 説明:
MyPrinter
という名前のプリンターを、LPT1:
ポートに接続し、HP LaserJet 1018
のドライバーモデルを使用して追加します。
2. プリンターの削除
特定のプリンター接続を削除します。
prnmngr -d -p "MyPrinter"
- 説明:
MyPrinter
というプリンターをシステムから削除します。不要になったプリンターを整理する場合に使用します。
3. すべてのプリンターを削除
ローカルまたはリモートコンピュータ上にあるすべてのプリンターを削除します。
prnmngr -X
- 説明: ローカルコンピュータ上のすべてのプリンターを削除します。
-s
オプションを指定することで、リモートコンピュータのプリンターも一括削除可能です。
4. 既定のプリンターの表示
現在設定されている既定のプリンターを確認します。
prnmngr -g
- 説明: 現在、システムで設定されている既定のプリンターの名前が表示されます。
5. 既定のプリンターを設定
特定のプリンターを既定のプリンターとして設定します。
prnmngr -t -p "MyPrinter"
- 説明:
MyPrinter
を通常使用するプリンター(既定のプリンター)として設定します。今後の印刷ジョブは、このプリンターが自動的に使用されます。
6. プリンターの一覧表示
ローカルまたはリモートコンピュータにインストールされているすべてのプリンターを一覧表示します。
prnmngr -l
- 説明: システムにインストールされているすべてのプリンターを表示します。
-s
オプションを使用することで、リモートコンピュータ上のプリンターも表示できます。
prnmngrコマンドの活用例
プリンターの自動管理スクリプト
複数のプリンターを自動的に管理したい場合、prnmngr
コマンドをスクリプトに組み込んで、プリンターの追加や削除を自動化できます。これは、企業環境や大規模なネットワークで複数のプリンターを効率的に管理する際に非常に役立ちます。
@echo off
prnmngr -a -p "OfficePrinter" -r "LPT1:" -m "HP LaserJet 1020"
prnmngr -t -p "OfficePrinter"
- 説明: このバッチスクリプトは、
OfficePrinter
をLPT1ポートに追加し、それを既定のプリンターとして設定します。
リモートコンピュータのプリンター管理
リモートコンピュータに接続してプリンターを管理する際、prnmngr
コマンドを使って、遠隔地のプリンターの状態を確認したり、必要な操作を実行できます。
prnmngr -s \\server -l
- 説明: リモートコンピュータ
\\server
にインストールされているすべてのプリンターを表示します。これにより、ネットワーク上でのプリンター管理が容易になります。
すべてのプリンターをリセット
プリンター設定が煩雑になった場合、すべてのプリンターを削除して再設定することでシステムのクリーンアップが可能です。
prnmngr -X
- 説明: すべてのプリンターを削除して、システムをリセットします。プリンターの再構成が必要な場合に便利です。
prnmngrコマンドを使う際の注意点
- 管理者権限が必要: プリンターの追加や削除には、管理者権限が必要です。コマンドプロンプトを「管理者として実行」して操作を行ってください。
- 正確なプリンタ名の指定: プリンター名を正確に指定する必要があります。誤ったプリンター名を指定すると、操作が失敗するか、他のプリンターに影響を与える可能性があります。
- リモートプリンターの管理: リモートコンピュータのプリンターを管理する場合、管理者アカウント
の資格情報が必要になることがあります。適切なアクセス許可を持つユーザー名とパスワードを指定してください。
prnmngrコマンドの使用をすすめる場合
prnmngr
コマンドは、プリンターの追加・削除、一覧表示、既定のプリンター設定などを効率的に管理したい場合に便利です。ネットワーク管理者や企業環境でのプリンター管理が求められる際に、コマンドラインを使用することで自動化や効率化を図ることができます。
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まとめ
prnmngr
コマンドは、Windowsのコマンドラインからプリンターを追加、削除、管理するための強力なツールです。ネットワーク環境やリモートプリンターの管理にも対応しており、スクリプトや自動化されたシステム管理に役立ちます。プリンター設定を効率化し、管理の負担を軽減するために、積極的に活用しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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