
printコマンドとは?
print
コマンドは、Windowsのコマンドラインからファイルをプリンタに送信して印刷を行うためのコマンドです。基本的にはテキストファイルを対象としており、プリンタドライバーを通じて接続されているプリンタに印刷ジョブを送信します。通常、GUIを使用せずにスクリプトやバッチファイルから印刷を行いたい場合に利用されます。
主な用途
- テキストファイルの印刷: コマンドプロンプトからテキストファイルを直接プリンタに送信。
- バッチ処理での印刷操作: 複数ファイルを一括で印刷するスクリプトを作成する際に便利。
- ネットワークプリンタへの印刷: ネットワーク経由で接続されているプリンタにも対応。
printコマンドの使い方
print
コマンドは、指定したプリンタにファイルを送信して印刷を行います。ローカルプリンタおよびネットワークプリンタに対応しており、指定したファイルをそのまま印刷できるシンプルなコマンドです。
基本構文
print [/d:デバイス名] [ファイルパス]
オプション | 説明 |
---|---|
/d:デバイス名 | 印刷するプリンタを指定。デバイス名を指定しない場合はデフォルトのプリンタが使用されます。 |
ファイルパス | 印刷するテキストファイルのパスを指定します。 |
使用例
1. デフォルトプリンタでファイルを印刷
指定したファイルをデフォルトプリンタで印刷します。
print C:\Documents\testfile.txt
- 説明:
C:\Documents\testfile.txt
というファイルを、システムで設定されているデフォルトプリンタに送信して印刷します。
2. 特定のプリンタを指定して印刷
/d
オプションを使用して、特定のプリンタにファイルを送信して印刷します。
print /d:\\networkprinter\printer1 C:\Documents\testfile.txt
- 説明: ネットワークプリンタ(
\\networkprinter\printer1
)を指定して、C:\Documents\testfile.txt
を印刷します。このようにネットワークプリンタを指定することも可能です。
3. 複数ファイルを一括で印刷
複数のファイルを連続して印刷する場合、スクリプトやバッチファイルでprint
コマンドを組み合わせて一括印刷が可能です。
print C:\Documents\file1.txt
print C:\Documents\file2.txt
print C:\Documents\file3.txt
- 説明: 3つのファイルを順番にデフォルトプリンタに送信して印刷します。バッチ処理を使うことで、複数ファイルの印刷を自動化できます。
printコマンドの活用例
スクリプトでのファイル印刷
print
コマンドを使用することで、ファイルを自動的にプリンタに送信し、スクリプトによる印刷の自動化を行うことが可能です。これにより、手作業で印刷を行う必要がなくなり、時間を節約できます。
@echo off
print /d:\\networkprinter\printer1 C:\Documents\file1.txt
print /d:\\networkprinter\printer1 C:\Documents\file2.txt
- 説明: ネットワークプリンタを指定し、2つのファイルを連続して印刷するスクリプトの例です。スクリプトを実行するだけで、ファイルが自動的にプリンタに送信されます。
ネットワークプリンタへの印刷
ローカルプリンタだけでなく、ネットワーク経由で接続されているプリンタにも対応しているため、print
コマンドを使ってネットワークプリンタを活用することが可能です。会社や大規模ネットワークで特定のプリンタを指定して印刷する際に役立ちます。
print /d:\\server\printer1 C:\Documents\file.txt
- 説明: ネットワークプリンタにファイルを送信し、リモート環境からでも印刷を行います。これにより、ネットワークプリンタの利用が容易になります。
バッチ処理での印刷ジョブ管理
ファイルをまとめて印刷する必要がある場合、バッチファイルにprint
コマンドを組み込むことで、複数のファイルを連続して印刷できます。これは、報告書やドキュメントを一括で印刷する際に便利です。
@echo off
for %%f in (C:\Documents\*.txt) do (
print /d:\\networkprinter\printer1 %%f
)
- 説明: 指定されたフォルダ内のすべてのテキストファイルを自動的に検索し、ネットワークプリンタに送信して印刷するバッチスクリプトです。
printコマンドを使う際の注意点
- テキストファイルのみ対応:
print
コマンドは、テキストファイルに特化しており、PDFや画像などの他の形式のファイルは対応していません。それらのファイルを印刷するには、他のツールやアプリケーションを使用する必要があります。 - プリンタのデバイス名に注意:
/d
オプションで指定するプリンタのデバイス名は、正確に指定する必要があります。デバイス名に誤りがあると印刷ができません。 - 印刷キューの管理が必要: 大量の印刷を行う場合、プリンタの印刷キューが詰まる可能性があるため、キューの状態を確認しながら操作を行うことが推奨されます。
printコマンドの使用をすすめる場合
print
コマンドは、テキストファイルをコマンドラインから簡単に印刷したい場合や、バッチ処理で複数のファイルを一括で印刷したい場合に非常に便利です。特に、スクリプトや自動化の一環として印刷操作を行う際に有効です。
関連コマンド
- prnjobsコマンドの使い方と印刷ジョブの管理:
prnjobs
コマンドを使って、印刷キューや印刷ジョブを管理する方法を紹介します。 - prnmngrコマンドの使い方とプリンタの管理:
prnmngr
コマンドを使って、プリンタのインストールや削除を行う方法を解説します。
まとめ
print
コマンドは、Windowsのコマンドラインからファイルをプリンタに送信して印刷するためのシンプルで効果的なツールです。手動での印刷作業を自動化したい場合や、テキストファイルをすぐに印刷する必要がある場合に役立ちます。スクリプトに組み込むことで、効率的に印刷操作を行うことができ、時間を大幅に節約できます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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