pnputilコマンドとは?
pnputil
コマンドは、Windowsでデバイスドライバーを管理するために使用されるコマンドです。新しいドライバーのインストール、既存のドライバーの削除、ドライバーストアからのインベントリ管理、ドライバーのエクスポートなど、さまざまなドライバー管理操作をコマンドラインから実行できます。特にシステム管理者にとって、ドライバーの一括管理や自動化のために便利なツールです。
主な用途
- ドライバーのインストール: 新しいデバイスドライバーをシステムに追加。
- ドライバーの削除: 使用されていないドライバーを削除してディスク容量を確保。
- ドライバーストアの一覧表示: システムにインストールされているドライバーをリスト化。
- ドライバーのエクスポート: ドライバーを他のシステムに移行するためにエクスポート。
pnputilコマンドの使い方
pnputil
コマンドは、管理者権限で実行する必要があるため、コマンドプロンプトを「管理者として実行」する必要があります。基本的なドライバーのインストールや削除に加え、ドライバーストアの管理も可能です。
基本構文
pnputil /add-driver <ドライバーファイル> [/install]
pnputil /delete-driver <インフファイル> [/uninstall]
pnputil /enum-drivers
pnputil /export-driver <フォルダ>
オプション | 説明 |
---|---|
/add-driver | 指定されたドライバーファイルをドライバーストアに追加。 |
/install | ドライバーファイルのインストールを実行。 |
/delete-driver | 指定されたインフファイルのドライバーを削除。 |
/uninstall | ドライバーをアンインストール。 |
/enum-drivers | インストールされているすべてのドライバーを一覧表示。 |
/export-driver | システムからドライバーをエクスポート。 |
使用例
1. ドライバーのインストール
ドライバーファイル(.inf
ファイル)を使用して新しいドライバーをインストールします。
pnputil /add-driver C:\drivers\example.inf /install
- 説明:
C:\drivers\example.inf
にあるドライバーファイルをシステムにインストールします。/install
オプションを追加することで、ドライバーファイルがドライバーストアに追加されるだけでなく、インストールも同時に実行されます。
2. ドライバーの削除
システムに不要なドライバーを削除して、ディスクスペースを確保します。
pnputil /delete-driver oem0.inf /uninstall
- 説明:
oem0.inf
で指定されたドライバーを削除します。/uninstall
オプションを使用して、ドライバーをアンインストールし、関連するファイルも削除します。
3. インストールされているドライバーの一覧表示
システムにインストールされているすべてのドライバーをリストとして表示します。
pnputil /enum-drivers
- 説明: システムにインストールされているドライバーの一覧を表示し、各ドライバーの詳細情報を確認します。ドライバー名やバージョン、インストールされている場所が表示されます。
4. ドライバーのエクスポート
現在インストールされているドライバーを指定したフォルダにエクスポートします。
pnputil /export-driver * C:\exported-drivers
- 説明: システムにインストールされているすべてのドライバーを
C:\exported-drivers
フォルダにエクスポートします。この機能を使うことで、他のシステムにドライバーを移行したり、バックアップを作成できます。
pnputilコマンドの活用例
ドライバーの一括管理
システムに複数のドライバーをインストールまたは削除する場合、pnputil
コマンドをバッチファイルやスクリプトに組み込むことで、効率的なドライバー管理が可能です。特に企業環境などで、複数台のPCに対してドライバーをインストールする際には、pnputil
コマンドが便利です。
pnputil /add-driver C:\drivers\printer.inf /install
pnputil /add-driver C:\drivers\audio.inf /install
pnputil /enum-drivers
- 説明: プリンタードライバーとオーディオドライバーを一括でインストールし、その後インストールされたドライバーの一覧を確認します。
不要なドライバーの削除
システムに不要なドライバーを削除することで、ディスク容量の節約や、パフォーマンス向上に役立ちます。特に古いドライバーや使用されていないドライバーがシステムに残っている場合に効果的です。
pnputil /delete-driver oem1.inf /uninstall
pnputil /delete-driver oem2.inf /uninstall
- 説明: 古いドライバーをシステムから削除し、ディスクスペースを解放します。
ドライバーのエクスポートとバックアップ
ドライバーを他のシステムに移行したい場合や、システムクラッシュに備えてドライバーのバックアップを作成したい場合に、pnputil
コマンドを使用してドライバーをエクスポートします。
pnputil /export-driver * C:\backup-drivers
- 説明: すべてのドライバーを
C:\backup-drivers
にエクスポートし、バックアップを作成します。これにより、新しいシステムに簡単にドライバーをインストールできます。
pnputilコマンドを使う際の注意点
- 管理者権限の必要性:
pnputil
コマンドを使用する際は、管理者権限が必要です。コマンドプロンプトを「管理者として実行」しないと、ドライバーのインストールや削除などの操作が実行できません。 - ドライバーの互換性に注意: インストールするドライバーがシステムやデバイスと互換性があることを確認してください。誤って互換性のないドライバーをインストールすると、システムに不具合が生じる可能性があります。
- 重要なドライバーの削除に注意: 使用中のドライバーを削除すると、デバイスが正常に動作しなくなる場合があります。削除前に慎重に確認してください。
pnputilコマンドの使用をすすめる場合
pnputil
コマンドは、ドライバーのインストールや削除、エクスポートを効率的に管理したい場合に非常に有効です。特に、複数のPCに対して一括でドライバーをインストールする必要がある場合や、ドライバーバックアップの作成、ドライバーストアの整理を行う場合に重宝します。
関連コマンド
- scコマンドの使い方とサービス管理:
sc
コマンドを使って、Windowsサービスを管理し、関連するドライバーの操作を行う方法を解説します。
まとめ
pnputil
コマンドは、Windowsでドライバーのインストール、削除、エクスポート、一覧表示を行うための強力なツールです。システム管理者やパワーユーザーにとって、ドライバーの管理を自動化・効率化するために不可欠なコマンドです。定期的なドライバーの更新や管理に役立ち、システムの安定性やパフォーマンスを向上させることができます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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