
目次
DISM コマンドとは?
DISM
(Deployment Imaging Service and Management Tool)は、Windowsでシステムイメージの管理や修復を行うための強力なツールです。Windowsのインストールやアップデートの際に、破損したシステムファイルを修復したり、イメージファイル(WIMやVHD)を操作するために使用されます。主にシステム管理者やトラブルシューティングで役立つコマンドです。
主な用途
- システムファイルの修復: 破損したシステムファイルを検出し、修復するために使用します。
- Windowsイメージのメンテナンス: WIMやVHDなどのイメージファイルの管理や展開をサポートします。
- Windows機能の有効化・無効化: Windowsの機能やドライバーをインストール、削除、更新することができます。
DISM コマンドの使い方
DISM
コマンドは、システムの修復やイメージの管理に使用されます。以下は一般的な使用例です。
基本構文
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- /Online: 現在実行中のWindowsインスタンスに対して操作を行います。
- /Cleanup-Image: Windowsイメージのクリーンアップまたは修復を行います。
- /CheckHealth: システムイメージの軽度の破損をチェックします。
- /ScanHealth: システムイメージを完全にスキャンし、破損を検出します。
- /RestoreHealth: システムイメージの破損を修復します。
DISM コマンドのオプション
1. システムイメージの破損チェック
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
- 説明: システムイメージに破損があるかどうかをチェックします。このコマンドは迅速に実行され、イメージの破損状況を確認できます。
2. システムイメージのスキャン
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
- 説明: システムイメージを完全にスキャンし、破損を検出します。破損が見つかった場合、それを通知しますが、修復は行いません。
3. システムイメージの修復
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 説明: 破損したシステムイメージを修復します。通常、
/RestoreHealth
オプションを使って破損を修復する場合、インターネットまたはネットワーク共有から修復データを取得します。
4. Windowsの機能を管理
DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName:<機能名>
- 説明: Windowsの特定の機能を有効化します。例えば、
.NET Framework
やTelnet
などの機能をインストールできます。
5. イメージのマウントとアンマウント
DISM /Mount-Wim /WimFile:<パス> /Index:<インデックス番号> /MountDir:<ディレクトリ>
DISM /Unmount-Wim /MountDir:<ディレクトリ> /Commit
- 説明: Windowsイメージファイル(WIM)をマウントして、その中のファイルやディレクトリにアクセスします。作業が終わったら、
/Commit
を使って変更を保存しながらアンマウントします。
DISM コマンドの活用例
1. システム修復の自動化
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
- 説明:
DISM
でシステムイメージを修復した後、sfc /scannow
を使用してシステムファイルをさらにスキャン・修復します。DISM
が破損を修復し、sfc
が個別のシステムファイルの破損をチェックします。
2. 特定のWindows機能を有効化
DISM /Online /Enable-Feature /FeatureName:NetFx3
- 説明:
.NET Framework 3.5
を有効化するコマンドです。このように、特定のWindows機能をコマンドラインから簡単に管理できます。
3. イメージファイル(WIM)の管理
DISM /Mount-Wim /WimFile:C:\images\install.wim /Index:1 /MountDir:C:\mount
DISM /Unmount-Wim /MountDir:C:\mount /Commit
- 説明: WIMファイルをマウントして、その内容を確認・修正した後、変更を保存してアンマウントします。イメージファイルの管理に便利です。
DISM コマンドを使う際の注意点
- インターネット接続:
DISM /RestoreHealth
を使用してシステムイメージを修復する際、Windows Updateからデータを取得するため、インターネット接続が必要です。 - 管理者権限が必要: ほとんどのDISM操作は、管理者としてコマンドプロンプトを実行する必要があります。適切な権限を確認してから実行してください。
- 長時間の実行: システムイメージのスキャンや修復には時間がかかる場合があります。システムの負荷が高い場合は特に注意が必要です。
関連コマンド
- sfc コマンドの使い方: システムファイルをスキャンして修復する
sfc
コマンドについて詳しく解説します。 - chkdsk コマンドの使い方: ディスクのエラーをチェックするための
chkdsk
コマンドについて紹介します。
まとめ
DISM
コマンドは、Windowsのシステムイメージを修復したり、Windows機能の管理を行うための強力なツールです。特に、システムの不調や破損を修復する場面では重要な役割を果たします。正しく活用することで、Windowsのパフォーマンスや安定性を維持することができます。

最後までお読みいただきありがとうございます。
コメント