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【コラム】なぜ「8GBの壁」がPCゲームの進化を妨げているのか?

目次

未だに「8GB」が主流の不思議

2025年現在、PCゲーム用のグラフィックボード(GPU)の多くは依然として「8GB」のVRAM(ビデオメモリ)を標準搭載しています。驚くべきことに、この容量は2016年に登場した「GeForce GTX 1070」とほぼ同じです。9年もの間、CPUやメモリ、SSDが飛躍的に進化してきたにもかかわらず、GPUだけが「8GBの壁」にとどまっている現状は、PCゲームの進化を著しく妨げています。


他のパーツとの進化比較

グラフィックボードと他のパーツを比較する画像
パーツ2016年頃の主流2025年の主流増加傾向
GPU VRAM8GB (GTX 1070)8GB (RTX 4060/4060 Ti)🟥 停滞
メインメモリ8GB〜16GB32GB以上🟨 約2〜4倍
ストレージSSD 256GB / HDD 1TBSSD 1TB以上🟩 約4倍以上

この比較からも分かるように、GPUのメモリだけが容量ベースでは停滞しているのは明白です。

もちろん、GPUの進化はVRAMの容量だけでは測れません。実際には、レイトレーシング対応、コア数増加、DLSSなどの技術進化も進んでおり、性能そのものは着実に向上しています。ただ、それでも「容量8GB」の制限がボトルネックになる場面が増えてきているのも事実です。

そのためこの記事では、あえて“容量”にフォーカスして、その影響を掘り下げています。


なぜVRAMが増えないのか?

  • 利益重視の戦略:NVIDIAはミッドレンジ帯のGPUにあえて8GBを採用し、より高額な上位モデルへ誘導しています。
  • DLSSなどのソフトウェア依存:メモリ容量不足を補うため、DLSSやフレーム生成といったソフトウェア機能を強調。
  • AI市場へのリソース集中:ゲーミング向けではなく、高額なAI用GPUに生産リソースが優先されている現実。

「NVIDIAはPCゲーミングを壊しているのか?」──@HardwareUnboxed + Gamers Nexus

YouTubeチャンネル「@HardwareUnboxed」の動画『Is Nvidia Damaging PC Gaming? feat. Gamers Nexus』では、NVIDIAの戦略がPCゲーム市場に与える悪影響について、Gamers NexusのSteve氏と共に徹底的に議論されています。

中でも注目すべきは以下のポイントです

  • RTX強制デモの事例:展示会でのゲームデモにおいて、NVIDIAがパートナー企業に「RTX機能を最大限有効にするよう指示」し、結果としてRTX 5090搭載PCでも30fpsしか出ないという非現実的な体験になっていた。
  • 開発者の負担増:RTXやフレーム生成の導入により、開発側の最適化作業が増え、そのしわ寄せがローエンドGPUの最適化不足に直結。
  • VRAM不足の放置:8GB VRAMを長期に渡って主流に据えたことで、テクスチャ品質やゲーム体験の上限を引き下げている。

この対談では、NVIDIAがPCゲーミング市場を支配しつつも、その立場を悪用しているのではないか、という強い懸念が語られています。


ゲーム開発者も影響を受けている

現場のゲーム開発者にも影響を与える画像

開発現場では、RTXシリーズの特徴であるレイトレーシングやマルチフレーム生成を活用するために、開発リソースが大量に必要です。にもかかわらず、ユーザー側の多くが8GB VRAMの制約を抱えているため、高画質テクスチャや演出を断念せざるを得ないケースもあるとされています。

結果として、最新技術をフルに活かしたゲーム体験が一部のユーザーに限られるという“格差”が生まれているのです。


コンソールとの逆転現象も

近年では、PlayStation 5やXbox Series Xといった据え置き型ゲーム機(いわゆるコンソール)の方が、PCより快適にゲームが動作するという逆転現象も発生しています。

これらのコンソールは、固定されたハードウェアに対してゲームが最適化されており、例えばVRAM容量に余裕を持たせた設計や、レイトレーシング対応も進んでいます。

ミドルクラスのPCでは、RTX 4060クラスのGPUでも1080pで中〜低設定が必要な場面が増えてきています。PCはカスタマイズ性や拡張性が魅力ですが、コストやパーツ構成によって快適さに差が出やすく、特にGPUのVRAM容量が8GBに留まっている影響で、コンソールよりも制約を感じる場面があるのは少し残念なところです。


今後求められるVRAMの“常識”とは?

ゲームの進化を支えるためには、VRAM 16GBが新たなスタンダードになるべき時期に来ています。実際、AAAタイトルの多くでは8GBでは足りず、パフォーマンスの低下やテクスチャの簡略化が避けられない状況です。

VRAMの容量は、単なる数字ではなく「ゲーム体験の可能性を広げる鍵」です。


まとめ:ユーザー視点での変化を

「8GBの壁」は、企業戦略によって築かれた“見えない制限”かもしれません。ただ、それに振り回される必要はありません。

  • 値段だけでなく、将来的な性能持続性にも注目する
  • レビューや実際のVRAM使用量を参考にする
  • RadeonやIntel Arcなど他社製品にも視野を広げる

結局のところ、パーツを選ぶのは自分自身。長く快適にゲームを楽しめるかどうかは、その選択にかかっていると思います。

Tamaglo

最後までお読みいただきありがとうございます。


執筆者 玉城 学(タマキ マナブ)

IT業界歴10年以上。ヘルプデスク・サーバーエンジニアとしてWindowsの設定、クラウド管理、PC最適化を担当。

現在はPC設定・Office活用の専門家として、ブログやYouTubeで情報を発信中。

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